『仏壇の前で膝をつき、「リン」と響かせ、敬意を示しながら祈ります。』
この行動には、気付かない真実が含まれています。
どこに注目すべきかご存知ですか？
実は、「仏壇の前で膝をつき、「リン」と響かせる」この部分が重要です。
この「リン」という音を生み出す器具が「りん」なのです。
無意識に使いがちな「りん」ですが、「仏壇での祈りの際に絶対に使用するもの」とは限りません。
子供時代から気軽に「りん」を鳴らしていたあなたに、今日は「りん」の正しい使い方を教えます。
さらに、「りん」の役割や選び方についても詳細に解説します。
「りん」の役割は？宗派によって異なる「りん」の存在
澄んだ「リン」という音には、
① 心を浄化する
② 祈りや願いを天へ伝える
③ 読経の際のリズムやテンポを保つ
などの役割があります。
子供の頃に無計画に鳴らして叱られたことがあるかもしれませんが、役割を知ると理解できます。
響きの美しい「りん」は、一般的にはお椀の形をしていますが、最近ではスタイリッシュなデザインのものも登場しています。
しかし、宗派によって違いがある点に注意が必要です。
特に浄土真宗では、本願寺派と大谷派で異なる規則が存在します。
本願寺派では六角形の台を、大谷派では四角形の台を使い、「金襴輪」という特殊な輪を用います。
他の宗派では特に決まりはないため、仏壇のサイズやデザインに合わせて選ぶことができます。
どう選ぶ？自分に合った「りん」の見つけ方
宗派ごとの選び方は既に述べましたが、その他にも選ぶ際のポイントがあります。
・サイズや形状、厚さにより音色が変わります。
一度選ぶと長く使うものなので、お好みの音色を探してください。
・仏壇の大きさに合わせて選ぶことが重要です。
サイズが不適切だとバランスが悪く見えます。
・仏壇のデザインに合わせた「りん」を選ぶと良いでしょう。
特に現代風の仏壇には、同様のスタイルの「りん」が適しています。
・材質により価格と音色に差が出ます。
通常は真鍮や青銅が使われますが、高級品には金や特別な素材が用いられることもあります。
価格帯はおよそ3,000円から20,000円と幅広いですが、高価なものほど音質が良い傾向にあります。
「りん」はいつ、どのように使うべき？
通常、「りん」は読経時に使われます。
経本には鳴らすべきタイミングが記されていることが多いですし、法要時には僧侶が読経中に「りん」を鳴らすこともあります。
また、正しい「りん」の使い方にはコツがあります。
りん棒で柔らかく叩くのが基本ですが、叩く部分によって音が異なります。
ただし、縁を叩くと「りん」が傷つく可能性があるので注意が必要です。
叩く回数は宗派によって異なります。
浄土真宗や浄土宗では経本に記されている回数通り、曹洞宗では2回か3回、真言宗では最初は控えめに、次に強く鳴らします。
自分の宗派に適した「りん」の使い方を学ぶことが大事です。
心を込めて美しい音を奏でましょう
今回の記事を通して、「りん」について深く理解していただけたでしょうか？
今まで何気なく鳴らしていた「りん」の音が、役割を知ることでより深い意味を持ちます。
ご先祖様や仏様に敬意を表して、心を込めて美しい音色の「りん」を大切に使いましょう。
