最近のテレビ番組では「准教授」という職位を持つ専門家がしばしば登場します。
これに気がつくと、以前よく見かけた「助教授」の姿が目立たなくなった気がしますが、その理由は何でしょうか？
准教授は専門性が高く認識されているため、メディアでの露出が増えたのか、あるいは公の場に立ちやすい性格のためか、それとも助教授は大学内での業務に専念しているからか、疑問が生じます。
そこで、准教授と助教授、そして助教と助手の区別について解説します。
准教授と助教授の役割の違い
准教授・助教授の職務内容
准教授と助教授は具体的にどのような職位・地位を意味するのでしょうか。
准教授は、専門分野での教育や研究、実務において優れた知識と能力、実績を持つとされ、「学生の指導や研究活動に従事する者」とされています。
この定義から、准教授がテレビで専門的見解を提供するのにふさわしいことが理解できます。
一方、助教授は以前は教授の補佐役と位置づけられていましたが、実際には専門知識を有し、幅広く活躍していました。多くの人が助教授の授業を受けた経験があるでしょう。
助教授の地位の変遷
「助教授」という職位は現在は存在しません。
法改正で、助教授の職は「准教授」に一本化されました。過去には研究活動や学生指導を行っており、その法的定義と実際の役割にはずれがありました。
「助教授」という職位は日本独特のものであり、2007年の法改正で世界標準に合わせ「准教授」という称号が採用されました。
助教と助手の区別
「助手」と「助教」の役割
助教授が教授の支援を行っていた時代から、教授のサポート役とはどのような職位に変わったのでしょうか。
実際には、「助手」という役職が存在し、教育関連法令でその役割が定義されています。これは大学内での重要な職階の一つですが、専門知識と大学院教育が必要であり、助手の地位を得るのは容易ではありません。通常、助手はキャリアの初期に位置づけられ、そこから講師や准教授へ昇進を目指すことが多いです。
2007年の法改正により、助手の役割がより明確に「助教」と「助手」に分けられました。
「助手」対「助教」の職務内容
以前は助手が授業を担当することもありましたが、現在では授業担当は「助教」に限られています。
つまり、
- 研究活動や授業担当は「助教」が、
- 研究支援や教授陣のサポートは「助手」が行う、
という区分になっています。公式には両職は同じレベルに位置付けられていますが、給与や授業担当権限を考慮すると、実質的には助教のほうが上位とされることが多いです。多くの助手は将来的に助教や准教授、そして教授へ進むことを目指します。
「現役の助教授」を名乗る人に対する注意
現代日本では、「現役の助教授」と自称する人は実際には存在しません。
そのため、誰かが「現役の助教授」と名乗る場合、その真意を疑う必要があります。知人が誤って自称する場合は別として、見知らぬ人がこのように名乗る場合は慎重に対応すべきです。
「助教授」という職位が現在使われていないことを念頭に置き、不審な人物に騙されないよう警戒しましょう。
