「のたまう」表現の起源と応用:漢字と事例について

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「のたまう」というフレーズにどのような感じがありますか?最近では、この言葉はジョークのような使い方や、相手を軽視する際の皮肉なコメントに頻繁に使われることがあります。

しかし、元々は敬意を示すための言葉として生まれました。

今回は、「のたまう」の漢字表記とその使い方に注目してみましょう。

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「のたまう」の漢字での表記

話し言葉で頻繁に使われる「のたまう」ですが、書き言葉としてはあまり見かけないかもしれません。

実際には、「のたまう」には「宣う」と「曰う」の2つの漢字表記が存在します。

特に、古文書などでよく見られるため、知っていると便利です。

「宣う」と記す場合

「宣う」という字は、昔、天皇が勅旨を国民に伝える際に用いられたものです。

この字は、情報を広く伝える意味を含んでおり、「宣」という字には「述べる」という意味が含まれています。

「曰く」と記す場合

「のたまう」は「曰う」とも書かれることがあります。

「曰う」は、特定の人の発言を指し示す際に使われることが多いです。

私たちには「曰く(いわく)」という用法が一般的です。

●「のたまう」の本来の意味 「宣う」は敬語で「おっしゃる」に相当します。

また、「申し伝える」や「言い聞かせる」などの意味も持ち、上位者が何かを伝える際に使用されていました。

現代での「のたまう」の含意

もともと敬語だった「のたまう」ですが、現代ではどのようなニュアンスで用いられるのでしょうか。

皮肉や軽蔑のニュアンス

現代では、敬語というよりも「言っている」「ほざいている」といった、揶揄や軽蔑の意味で使用されることが多くなっています。

現代における「のたまう」の使用例

通常、皮肉を込めて用いられることが多いです。

「偉そうにのたまうけれど、実際は何もできない」と言うと、口ばかりで実力が伴わない人を示すことができます。

「のたまう」のさまざまな使用法

敬語である一方で、皮肉なニュアンスも持つ「のたまう」。

以下では、その異なる使い方を紹介します。

敬語としての「のたまう」

①「世にないものゆえ、それを真実と疑わずに受け入れん、とのたまう」

竹取物語の一部で、「この世には存在しないものなので、本物だと疑わずに受け入れてください」という意味です。

②「天皇が御言葉をのたまう」

これは「天皇がお言葉を述べられる」と解釈されます。

③「~と、高らかにのたまえば~」

これは清少納言の枕草子の抜粋で、「~と、声を大にしておっしゃるので~」という意味になります。

皮肉としての「のたまう」

①「彼は酔っぱらって、大言壮語をのたまったそうだ」

②「勝手なことをのたまうなんて信じられない」

③「彼は?と、のたまうのですよ」

これらの文章からは、相手を挑発したり、不安にさせたりするような内容が多いことがうかがえます。

「のたまう」の意味や使い方の変遷

「のたまう」は、元々は敬語で、上位者が下位者に何かを伝える際に使われる言葉でした。

しかし、現代では軽蔑的な言い方や皮肉を込めた使い方が一般的になっています。

それにもかかわらず、現代では「のたまう」の代わりに「おっしゃる」が一般的に使われています。

「天皇が御言葉をのたまう」よりも「天皇が御言葉をおっしゃいます」の方が親しみやすく感じられるのではないでしょうか?

「おっしゃる」も敬語ですが、現代人にとって「のたまう」よりも「おっしゃる」という言葉の方がなじみ深いです。

時代と共に言葉の使われ方は変化していくため、「言う」という単語にもさまざまなバリエーションがあることを理解しておくことは、社会人としても、日本人としても大切なことです。

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