「道路脇の休憩施設」の目指すものと申請条件は？その誕生背景は？

日帰り旅行でのお気に入りスポットとしてよく挙げられるのが、道路沿いに設けられた特別な施設です。

このような場所では、その地域独自の美味しい料理を堪能したり、地元産の新鮮な農産物をお得な価格で手に入れることができ、人気を集めています。

近年では、これらの施設を訪れるバスツアーも運行されるなど、その人気は目覚ましいものがあります。

広く認知されつつあるこれらの施設について、一体どのような趣旨で設立されたのか、また、その申請条件や設立された時期、施設の名前の由来などを詳しくご紹介します。

訪問する前に、これらの情報をぜひ知っておきましょう！

休憩スポットの目的と申請条件は？

基本的な設備：休憩場、トイレ、公衆電話、駐車スペース！

これらの施設は、国土交通省によって正式に承認された休憩場所で、一般道路沿いに設けられています。

高速道路のパーキングエリアやサービスエリアに似ていますが、一般道向けバージョンと言えば分かりやすいでしょう。

この種の「運転途中で休憩できる場所」は全国に数多くありますが、以下の条件を満たしていなければ国土交通省に登録されません。

・24時間利用可能なトイレの設置。

・24時間利用可能な公衆電話の設置。

・24時間停められる無料駐車スペース。

・24時間利用可能な子育て支援施設。

・道路情報、観光情報、緊急時の情報を提供する施設。

特に重要なのは、「トイレ、公衆電話、駐車スペース、子育て支援施設が24時間使える」ことです。

これらの施設は、いつでも休憩が取れるように設計されており、緊急時にも情報を得られるようになっています。

これらの条件を満たしていないと、他の設備が充実していても認定されないのです。

充実した施設の特徴

これらの施設の特徴として、「地元の特産品を扱う店が充実している」という点があります。

これは、以下の3つの機能を備えていることが要求されています。

・休憩機能：24時間利用できるトイレや駐車スペースなど

・情報発信機能：道路情報、観光情報、緊急医療情報など

・地域連携機能：訪れる人々と地域コミュニティとの交流を促す

これらの施設は、ドライバーの利便性向上だけでなく、地域住民との繋がりを深める役割も担っています。

地元の名産品を扱う店舗や、地域の美味しい料理を提供する飲食店が多く、こうした施設の魅力を高めています。

また、近年ではレジャー施設、温泉、宿泊施設を備える場所も増えてきています。

「楽しい時間を過ごしながら、地域の文化や特色を知ることができる」

これが、これらの休憩スポットの大きな魅力です！

これらの施設の始まりはいつ？名前の由来は何？

一般道でも必要とされる休憩所！

これらの施設が設立された背景には、自動車の増加に伴う休憩スペースの必要性がありました。

これらの施設が設立される以前には、民間が運営するドライブインのような「ドライバー向けの施設」が存在していましたが、24時間利用可能な場所は限られていましたし、多くは有料でした。

そこで、高速道路のサービスエリアのような、無料で利用できる休憩所への需要が高まりました。

このニーズに応えるため、一般道路の管理を担う都道府県と国土交通省が協力して、これらの施設が設立されることになりました。

正式な設立は1993年！

これらの施設が正式に設立されたのは1993年で、その年には全国に103箇所の施設が開設されました。

現在では、これらの施設の数は1100箇所を超え、さらに新しい施設が計画されています。

実は、これらの施設の正式な設立に先立ち、1991年に岐阜県、栃木県、山口県の3県で試験的に設置されたことがありました。

この試験運用が成功した結果、1993年に正式オープンへと繋がりました。

試験的に設置された12ヶ所のうち、現在も営業している施設には以下の2ヶ所があります。

・山口県阿武町の施設

・岐阜県中津川市の施設

これらの地域を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみるのも良いでしょう。

なぜこの名称なのか？

「道の駅」という名称は、「駅」という言葉に「宿場」という意味合いが含まれていることから選ばれました。

宿場は宿泊施設や休憩所、情報伝達のための馬や人が配置された場所で、江戸時代には東海道などで整備されました。

明治時代に入ると、鉄道網がこれを代替しましたが、宿場町は現在も観光地としての魅力を持っています。

現代では鉄道の「駅」が一般的ですが、もともとは大きな道路沿いに設置された休憩施設が「駅」と呼ばれていました。

その伝統を受け継ぐ形で、「一般道路沿いの休憩施設」という意味合いを込めて「道の駅」という名前が採用されたのです。