スマートフォンアプリを使ってモザイクを取り除くことは可能でしょうか？
現在、iPhoneやAndroid向けにモザイクを完全に取り除くアプリは存在しません。
ただ、AI技術を活用して元の画像に近づける試みは存在し、動画のぼかし部分をクリアにするツールも一部にはあります。
特に、AIによるモザイク除去技術は近年進化しており、2017年にはGoogleのプロジェクトが大きな注目を集めました。
この記事では、そうしたアプリやツールについて紹介します。
スマートフォンでモザイク除去は可能か？（iPhone・Android）
現状では、モザイクを完全に除去する専用アプリはありません。
一方で、「Remini」というアプリが注目されています。このアプリは低解像度の写真をAIを使って高解像度に変換するものです。
このアプリはiPhoneとAndroidの両方で使用でき、無料で利用可能ですが、一日の使用回数に制限があります。
時にはモザイクが消えることもありますが、顔写真では完全な再現が難しく、異なる顔になることもあります。
PC用モザイク除去ソフトウェアとツール
スマートフォンでは限界があるものの、PCではどうでしょうか？
PC用には複数のモザイク除去ソフトウェアが存在し、これらもAIを用いた画像再現方法で、完全に元の状態に戻すことはできません。
PULSE
顔写真のモザイクを除去するためのフリーソフトウェアで、スマートフォンとPCの両方で使用できます。
このソフトウェアもAIを利用した再現技術を使用しており、処理後の画像が元と異なることがあります。
DeepMosaic
顔写真以外の高い再現性が評価されるフリーソフトウェアで、GitHubで公開されています。
このソフトウェアは画像だけでなく、動画のモザイクも除去できますが、自動処理が失敗することもあります。画像の処理は数分で完了しますが、動画はより時間がかかります。
モザイク除去技術について
モザイクやブラーの解除を可能にするソフトウェアは存在しますが、完全な復元は技術的に難しいとされています。特に動画においては、画像処理がより複雑になり、高性能なコンピュータが求められます。
「javplayer」というツールは、ブラーを鮮明にすることから始まり、TecoGANというAI技術を用いて画像を再構築します。ただし、画質が低いものや特殊なモザイクが施されている場合には、この技術の効果は限られます。
現在、モザイクの自動除去にはAI技術が頻繁に使用されていますが、完全な効果は期待できません。
モザイクの原理と限界
技術的な観点から見ると、現在の技術ではモザイクを完全に解除することは不可能です。市場に出回っているデバイスも、モザイクを完全に消去することはできません。
モザイクには「可逆」と「非可逆」という二種類の処理があります。可逆処理は元に戻すことが可能ですが、過去の事件を防ぐため現在はほとんど使われていません。非可逆処理では、元のデータを変更してしまうため、元に戻すことは不可能です。
また、許可なくモザイクが施されたコンテンツを公開する行為は法的に問題となることがありますので、個人的な使用に限定することが賢明です。
Googleのモザイク除去技術の発展
2017年、Googleが開発したモザイク除去技術に関する報道がありましたが、この技術はモザイクを完全に消去するのではなく、不足している画像部分をAIが予測し補完するものです。主にセキュリティカメラの映像を向上させる目的で開発されましたが、完全な再現には至っていません。ただし、今後の進化に期待が寄せられています。
まとめ
現在の技術レベルでは、モザイクを完全に消去することは非常に困難です。現実的なアプローチとしては、「消去する」のではなく、「予測して再現する」方法があります。モザイク除去が可能なアプリやフリーソフトは完全な再現を提供するには至っていません。
それでも、Googleをはじめとする世界中の技術者たちが研究を継続しており、将来的にはより高度なモザイク除去技術が開発されるかもしれません。しかし、プライバシーを保護するため、不正にモザイクを除去して公開する行為は避けるべきです。
